利益感度分析

2月 1, 2021

戦略MQ会計では、5つの要素(変数)で経営を考えます。

経営環境の変化で、P(売価)V(原価)Q(数量)F(経費)が
どの位変わったら、G(利益)にインパクトがあるかを考えるのが
利益感度分析です。

利益感度は、会社の利益構造によって異なります。

【研修会社の事例】

企業向け研修会社の事例です。

Q(数量 回数)  10 F(会社経費)  80 G(利益)  20

一月20万円の利益が出ています。

P(売価 研修/回)30(万円) V(原価 講師料) 20

利益感度分析の例として、

F(経費)と P(売値)がどのくらい変わったら赤字になってしまうかを試算します。

コストアップ

パート採用や車を購入し、毎月のコストが増える場合です。

F以外の変数が変わらないとして、F(経費)がいくらまで増えたら、G(利益)が0になるでしょうか?

Fの利益感度Fkは、変更後のF’を変更前のFで除して求めます。

ここでは、F(経費)が80から100に増えると、G(利益)が0になります。

25%増えると利益がなくなるので、Fの利益感度 Fkは25%になります。

値引き

今度は、営業が値引販売した場合です。

G(利益)が0になるのは、MQが80、つまりM(マージン)が8になった時です。

その時のP(売価)は28。

P(売価)を30から28まで値引きすると赤字になります。

利益感度Pkは、変更前との比較なので、100%-28/30で6.7%。

まとめ

この事例では、7%値引きしたら赤字になる一方、コストは25%増えるまで赤字にはなりません。

利益感度は会社の利益構造によって異なります。

一般的には、P(売価)はF(経費)より大きく利益に影響を与えるようです。

逆に言えば、赤字の会社に『コスト削減F↓ 』と言っても、簡単には赤字解消できません。

それより、

値引きを減らせないか(P↑)、

Qを増やせないか(Q↑)、

Vを下げられないか(V↓)、

場合によっては、

原価を上げても(V↑) Pを上げる(P↑)など、

全社として商品群ごとに検討しないと具体策は出てきません。

経営改善というと、どうしても売上アップとコストダウンを考えがちですが

総合的に考えること、特に値引きについては担当営業ばかりでなく

全社もしくは部署別の戦略を理解しておかないと売上目標は達成したけれど

月末に締めていたら赤字が増えていたということでは大変です。

値引きが100%悪いと言っているのではありません。

戦略上利益がどのくらい確保できるか、予測した上で値引きをするのは構いません。

でも、多くの営業マンは値引きをしても、利益は一部しか減らないと思っている。

値引きが悪いのではなく、知らないで値引きしていることがいけないのです。

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