昨日は、製造現場から魅力を発見するテーマで
町工場の事例を紹介しました。
今日は、会社の魅力発見のもう一つの場
お客様との接点で自社の魅力を再認識した事例を
紹介します。
🔸お客様の声に宝物を見つける
サービス業のコンサルでは
課題がなんであれ
最初に経営者にお客様の声について質問します。
「お客様が御社の商品・サービスを選ぶ理由は?」
『いい素材を厳選しているから』
『丁寧に作っているから』
『他より安いから』
ほとんどの場合
経営者がご自分の頭の中にある思い込みで
答えます。
改めて質問します。
「お客様の声はどのように集めていますか?」
『ご意見箱置いているけど
ぜんぜん意見もクレームもないから
満足されていると思う。』
これもほとんどの場合
経営者の思い込み。
店頭に置かれた「ご意見箱」は
格別に感激するほど嬉しいことがないか
言わずにおれない不愉快なことがない限り
お客様の声が自主的に届けられることはありません。
山間の食品工場の飲食店兼店舗で
営業部長から「笑顔が少ない」と
接客指導を頼まれた時、
最初にお客様の声を聞くことを提案しました。
普段から試食品の紹介と
レジ対応しかしていなかったので
お客様に声掛けするのはハードルが高い。
まず、一人一日3人だけでいいから
お客様にこの3つの質問をしてくださいと
簡単な質問の言葉を伝えました。
「お客様の回答を付箋に書き留めて
まとめておいてください。
「次回のコンサルの日まで
2週間あるからスタッフ4人で
100枚目標に頑張りましょう。」
と言っていたのに
実際には、10枚ほどしか集まりませんでした。
それでもう一回同じ宿題を出しました。
次回はなんと
200枚以上、付箋が集まりました。
その中身が素晴らしかった。
質問の答えを遥かに超える
素晴らしいメッセージがたくさん書かれていました。
『知人からこのお店のことを聞いてツアーに参加しました。
ここでなければ買えないと聞いて、楽しみにしてきました。
工場見学で本当に丁寧にいいものを作っているのがわかったので
来年は家族と一緒に参加します。』
『毎年、この時期に家族で誘い合って来て3回目です。
お友達にもお土産たくさん頼まれてます。
ここの商品でないともう他のは買えません。』
などなど、質問以外のプライベートな話や
嬉しい言葉がたくさん並んでいます。
知らないお客様に最初に質問するのは
本当に勇気がいりますが
お客様の表情がパッと変わって
どんどん嬉しい言葉が溢れてきます。
そしたら他のお客様に質問するのは
もう怖くない。
スタッフ同士でも、『こんなこと言ってもらった』
『試食の感想もたくさん聞けて、いくつも買ってもらえた』
そんな嬉しい言葉のやりとり。
商品のこだわりや丁寧なものづくりは
会社から聞いていたけど
お客様から直接嬉しい声を聞いて
初めて本当の価値に気がつく。
当たり前と思っていたことが
それほどうれしい特別なことなんだと
お客様に教えてもらう。
特別な指導はしなくても
全員、笑顔で接客できるようになりました。
🔸魅力はお客様に教えてもらう
店舗でお客様の接客をする時に
素材がいいとか手間ひまかけて作っているとか
売り手目線でいいところを説明しがちです。
でも、それが本当にお客様にとって
嬉しいこと、魅力になるかどうかは全然別。
量が多いより、少ない方が嬉しかったり
サービス提供が早いより
時間がかかっても嬉しいこともあります。
自分たちの商品・サービスの良さや強みが
お客様の心を動かす魅力になるかどうかは
お客様に聞いてみないとわかりません。
いいものを作って販売していても
店頭でただお客様に勧めて買ってもらうのと
お客様がここでなきゃと喜んで買ってくれるのでは
販売スタッフの体験は全く異なります。
作り手の思いを
販売スタッフが仲介してお客様に伝え
そのお客様の声を今度は
販売スタッフから工場スタッフに伝える。
そんな嬉しい連鎖が続くと
販売スタッフも工場スタッフも
皆が自社のファンになりますね。
そんな社員のうれしい声を
ぜひ集めて求人文書に書き出してみましょう。