#214 中小企業の採用で注意すべきポイントと、新しい視点

7月 7, 2025


先週受けた採用セミナーの2つ目は、
ベテランの採用コンサルタントが
中小企業診断士向けに最近の採用市場の解説
と採用の注意点を解説してくれました。

現場の臨場感たっぷりでとても参考になりました。

採用コンサルタントが強調したのは

「求人を出せば来る」
「媒体を変えれば解決する」
「人事がいないから無理」

こうした声を経営者さんから本当によく
聞きますが、実はこれは大きな誤解。

採用は「設計」しなければ成果が出ません。

今日はそのポイントを一緒に整理していきます。

🔸採用も設計が基本

採用は
「誰を」「いつ」
「どのチャネルで」
「どれくらいのコストで」
採るかを設計するのが大前提です。

・まず「どんな手段があるか」を理解する
SNS、ハローワーク、エージェントなど
媒体ごとに特性もスピードもコストも違います。

・「いつ」「いくら」かかるかを可視化する
予算が見えないまま進めると
無駄な出費や計画の遅れが起きます。

求人媒体によって、費用がかかるタイミングも異なります。

・「誰を採りたいのか」を具体化する
「(採れないから)誰でもいい」は一番危険です。
業務を見直し、本当に必要なスキル、
マインド、基礎力を明確にしましょう。

採用設計ができていないと、媒体選定も意味ありません。

🔸採用は「広報戦略」でもある

採用は「求人活動」であると同時に「広報活動」でもあります。

これは私がいつも伝えていること。

採用のプロコンサルも同じことを言っている
とわかり、今後はもっと強調していきます。

人が集まる会社には共通点があります。

儲かっている x イメージのいい会社

[儲かっている] =給与や待遇がいい(だろう)
[イメージのいい会社」=「働く魅力」が伝わる

特に、中小企業では特に後者が重要です。
「どんなやりがいがある仕事なのか」
「どんな職場なのか」を具体的に伝えましょう。

次の採用要件を考えるときに
ぜひ現場の社員から「ここで働く魅力」を引き出してください。

🔹採用要件は、現場を巻き込んで考える

採用要件を決めるのは人事だけの仕事ではありません。

特に中小企業では「現場と人事・経営者が一緒に考える」ことが重要です。

・現場がどんな人を求めているのか
・どんな価値観を持つ人がフィットするのか
・どんな業務を任せたいのか

こうしたポイントを現場の声から引き出し、経営の視点でまとめていく。
これが本当の「自社に必要な人物像」の言語化です。

例えば、現場の社員にこんな質問をしてみてください。
・「前職と比べて良いところは?」
・「もし一言で表すならどんな仕事?」
・「この仕事の楽しい瞬間は?」

こうした言葉を求人票や説明会、SNSで
伝えて初めて「働きたくなる会社」になります。

🔸多様化したチャネルを正しく選ぶ

 採用チャネルは多様化しています。
「全部出せばいい」ではなく、
特徴を理解し、戦略的に使い分けることが大切です。

・直接応募(SNS、自社HP、リファラル)
低コストですが時間がかかります。ブランド力が試されます。

・無料媒体(ハローワーク、Indeed、engage)
幅広い層にアプローチできますが、応募者の質の見極めが必要です。

・運用型媒体(Green、Wantedlyなど)
スカウトができ、スピード感もあり、母集団形成を補強できます。

・有料エージェント
コストは高いですが、短期で即戦力を確保するには有効です。

「誰を、いつまでに、どのコスト感で」
採るのかを決めた上で、最適なチャネルを選びましょう。

🔹予算とスケジュールを見える化する

採用コストは予算計画において不透明になりがちです。
特に成功報酬型のエージェントでは
一人あたり100万円を超えることもあります。

・いつ必要か
・いつから動き始めるか
・どのタイミングで費用が発生するか

これを可視化して逆算することで
無駄なコストや時間のロスを減らせます。

🔹中小企業におすすめの採用戦略の段階的アプローチ

最後に、採用コンサルタントがおすすめの
中小企業が現実的に進めやすい「段階的採用戦略」をご紹介します。

1st STEP:無料媒体を活用する
ハローワーク、engage、Indeedなど
無料の媒体だからこそ、求人票の内容で
自社の魅力をしっかり伝える工夫が大切です。

2nd STEP:後課金型スカウトで母集団を拡大する
Green、Wantedlyなど、運用型媒体では
スカウト機能を活用し、攻めの採用を行います。

掲載後に応募があった時だけ費用が
かかるため、コスト管理もしやすいです。

3rd STEP:有料エージェントを活用する
専門職や急募ポジションでは
エージェントを活用するのも有効です。

高単価でも即戦力を確保できるメリットを
最大化しましょう。

🔸まとめ

採用は「設計」と「広報」です。
・欲しい人材像を社内で言語化する
・自社の魅力を言葉にする
・チャネルごとの特徴を理解し、戦略的に使う

中小企業だからこそ、無駄なく、
自社の魅力を伝える採用を目指しましょう。

どこから始めるか迷ったら、
まずは「必要な人物像の明確化」から取り組んでみてください。

今回のセミナーでは、運用型媒体や
後課金型求人メディアについて最新情報が得られました。

ご相談や質問があれば、ぜひお気軽にお声かけください。
採用コンサルタントや社会保険労務士など、
採用のプロと連携しお手伝いさせていただきます。

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