🔸診療科別診療所の売上・費用の調べ方
他のクリニックがいくら稼いでいるのか
費用はどのくらいかかっているのか、気になりますね。
2年に1回、厚生労働省より「医療経済実態調査」を実施しており
診療科別、開設事業所別の収支統計が発表されています。
直近では、令和5年度の「第24回医療経済実態調査」が発表されています。
備忘録的に、診療科別診療所の売上・費用の調べ方を
まとめておきます。
🔸エクセルの統計資料の入手方法
「医療経済実態調査」で検索すると厚労省のサイトで
最新の「第24回医療経済実態調査」のページが表示されます。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/24_houkoku.html
これは、600ページ近いpdfの資料なので、統計資料を調べて数字を拾うのは大変。
必ず、エクセルの統計資料を探します。
↓右下の「統計表一覧」を選ぶと政府統計の「e-Stat」のデータセットが表示されるので
右下の全体番「EXCEL」を開きます。
600ページ の資料の中でよく使うのは、下記の2項目です。
1)集計(診9)一般診療所 主たる診療科別の損益状況
2)集計(診24)職種別常勤職員一人平均給料年(度)額など
🔸診療科別損益状況の見つけ方
集計シート(診9)の中に「主たる診療科別の損益状況」の
表が並んでいます。そこから目的の「診療科別の損益状況」を探します。
上から順に下記の項目が並んでいます。
- 一般診療所(個人)入院収益あり 診療科別
・内科、小児科、精神科、外科、整形外科、産婦人科、眼科
耳鼻咽喉科、皮膚科、その他、全体
入院施設ありの個人院の平均値を見たい時は「全体」を見ます - 一般診療科(個人)入院施設なし 診療科別
- 一般診療所(医療法人)入院収益あり 診療科別
- 一般診療所(医療法人)入院収益なし 診療科別
🔸医療収益の内訳
医療収益は、
1.入院診療収益
2.外来診療収益
3.その他の医業収益の順に
記載されています。
さらに、入院・外来の内訳として
・保険診療収益
・公害等診療収益
・その他の診療収益に分類されています。
🔸医業・介護費用の内訳
整形外科(医療法人 入院収益なし)を参照して
グラフ化してみました。
142医療法人の平均値で外来診療のほとんどが
保険診療で年間の収益が1.42億円です。
費用は、給与が対売上比で56%、年間8千万円以上の
支出です。利益率(損益差額)は5%となっています。
もう少しざっくり見てみるため、月次の数字を出してみました。
自院の数字と比べやすくするため、細かい数字はまとめて
月次のPLを作ってみました。
月次の医療収益が1,000万円、給与費が672万円
建物賃料が120万円と見るとだいぶ実感に近くなるのではないでしょうか?
この平均値では、相当大きな整形外科だろうとイメージになりますね。
整形外科は診療体制で収益構造も大きく異なります。
月次決算はされていると思いますが
細かく収益や費用をわけてしまうと
実態が見えにくくなります。
大まかに下記のようなまとめ方で把握することをお勧めします。