🔸診療報酬改定で注目の「ベースアップ評価料」
昨日、医療関係の中小企業診断士の勉強会「医療ビジネス研究会」に参加し、「2024年度診療報酬改定を読み解く – 賃上げはどのように行われるか –」というテーマで研修を受けました。そこで話題になったのが、新たに導入された「ベースアップ評価料」についてです。
この制度は、医療従事者の給与を引き上げるための診療報酬加算項目です。物価高騰や大手企業の賃上げに対応し、医療従事者の働きやすい環境を整備する目的で導入されました。
🔸ベースアップ評価料の仕組み
「ベースアップ評価料」は、すべての医療機関が一斉に対応する義務はありません。評価料を請求した医療機関に対し、その原資が支払われ、それを基に職員の給与引き上げを行う仕組みです。
ただし、準備期間が短いことや給与計算・評価制度への影響、さらには制度の継続性に対する懸念から、導入を見送る医療機関も少なくないようです。
🔸経営者の判断が問われる
この制度への対応について、経営者の判断は様々です。一部のコンサルタントや税理士は「無理にやる必要はない」と助言しています。しかし、昨日の研修では、視点を変える重要性が強調されました。
スタッフや求職者は、経営者の姿勢を見ています。
- この会社はスタッフを大切にしているか?
- 新しい制度を積極的に取り入れているか?
これらの疑問に対する答えは、採用活動や職場環境の評価に大きく影響します。
🔸採用への具体的な影響
研修では「ベースアップ評価料」に対応していないことが原因で、採用を辞退された事例も紹介されました。一方で、患者やその家族が診療明細に「ベースアップ評価料」を見た場合、「職員思いの良い病院だ」と好意的に受け止めるケースもあります。
🔸中小企業への示唆
医療機関に限らず、中小企業にも賃上げを条件とする優遇制度が増えています。
- 業務改善助成金
- 小規模事業者持続化補助金
これらの制度を活用することで、賃上げと生産性向上を両立させることが可能です。制度導入には社員の協力が必要であり、結果として企業文化の向上にもつながります。
🔸まとめ
新しい制度に積極的に取り組むことは、採用力や職員のモチベーション向上に寄与します。働きやすい環境整備や生産性向上に向けた取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。