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#117 JJ ブームの仕掛け ファン心理の裏側

5月 12, 2024

みなさん、「JJ(ジェイジェイ)」って聞いて
何を想像しますか?

 

最近、TVCMが始まったので
ああ、アレって思う方も多いかもしれません。

 

サントリーが新商品として販売始めたRTDですが
そのネーミングとマーケティング方法が気になっていたら
「日経Xトレンド」で紹介していました。

 

元となった「茉莉花」は2004年から
飲食店向けに販売していたそう。

 

知らない人は気になると思うので
「茉莉花」はジャスミン焼酎
「JJ」はジャスミン焼酎を
ジャスミン茶で割った缶入り焼酎

 

飲食店では、アルコール度数20%の「茉莉花」と
ジャスミン茶を1:3で割って出している。

 

氷が溶けるのを見越して
JJ缶は4%で提供しているそう。

 

関西や沖縄の飲食店で
若年層を中心に浸透していたけと
あくまでもローカルの人気商品

 

それをあえてコンビニ中心に全国区販売した時の
マーケティングが意外でおもしろいなあと思って
紹介します。

 

あえて説明しない

「JJ缶」は
『甘くない』『低アル』『非炭酸』の味覚設計


「JJ」という略称は
飲食店を中心に広がったそう。


コンビニで販売始めると
若い人だけでなく40代以上にも
好評だそう。

あえて
『甘くない』『低アル』『非炭酸』とか
「茉莉花」とジャスミン茶の説明はしない


お客様の注文で耳にしたり
メニューに書かれた「JJ」を見て
店員や友達に聞く。


初めて聞いた時のファーストインパクトを
表現するため、テレビコマーシャルでも
あえて「何それ?」って仕掛けにしているそう。


ホームページも同じ。
「何それ?」で惹きつけています。
よかったら覗いてください。

https://www.suntory.co.jp/sho-chu/matsurika/

 

BPA_51-

価値を伝えるマーケティング

この記事で思い出したのが
前職のBang & Olufsen時代のこと

1980年代、仕事を始めた当初は
とにかく名前を覚えてもらおうと
発行部数の多い雑誌に広告を出したりしていた。

でも、ある日、気がついた。

ブランドだけ覚えられても価値が伝わらないと
かえってブランドを傷つけると。

デンマークのオーディオブランドで
音楽ファンのための音響メーカーだけど
北欧ブランドの家具や照明器具・カトラリーと同様
リビングルームに溶け込むシンプルなデザイン

その日、店舗で聞いたお客さんの言葉。

「これって、デザインがいいけど、音はどうなの?」
「デザインがいいから、高いんでしょ」
ブランド名も知ってると言いながら人によって
「ビーオー」だったり「ベオ」って略したり。

デザインは確かにいいけれど
北欧のブランドにとっては、最低限の条件。


リビングで好きな音楽を聞くのに
機械室みたいな空間は興醒めだから。

コンセプトは
音楽好きのかたのための
ボタンひとつで最高の音質・画質の空間を
とかなんとか。

日本ではこうでなきゃ
オーディオ業界はこれが常識とか
そんな話に惑わされていたけど

その日をきっかけに
改めてデンマーク本国のマーケティングを
日本でもこだわって貫き通した。


デザインは売りにせず
10年以上家庭で使い続けられるこだわった素材や仕上げ
複雑なマニュアルなしでも使えるシンプルな操作性
スペックより人の眼・耳で評価する音質・画質づくり

ブランド名はあえて、カナ表記で「バング&オルフセン」
そして、何より大事なことは、ターゲットを絞ったこと。

このオーディオと一緒に暮らしたい人はだれ
どこでどんな生活をしている?
家族とどんな音楽を聞く?どこでどんなシチュエーションで?
どんな雑誌、新聞を読む?

日本のオーディオメーカーと違って
新製品は3年に1回くらいしか出ないから
新製品を紹介してもらうより
ブランドストーリーを取材してもらえるメディアに
アプローチした。

ブランドの世界観を伝えるため
お客様向けのイベントやニュースレターを発行した。


デザイナーやブランドの歴史を紹介するデザイン展
ヨーロッパのブランドとのコラボイベントや
日本のデザイナーやアーチストに音響提供とか。

その上で
このブランドの考え方を好きな雑誌
編集者、ライターは誰?と考えて
ピンポイントでイベントや展示会に招待。

最初は何それ?
でもだんだんファンになる編集者やライターが増え
ブランドストーリーを描いてもらえることが増えた。
もちろん広告ではなく取材として。

 

お客様の取材をたくさんしてもらったのも
ブランドの価値を伝えるのに効果があったかも。

あの人が使っているなら間違いない
あの人が好きなものなら私も欲しいとか

 

お客様が伝道師

そんな中、テレビ取材で
自分の大好きなものを
紹介する番組の撮影に立ち会った。

 

今でも人気のアーチストが
愛用のBang & Olufsenをどれほど好きか
商品開発のこだわりとか
こういう素材を使っているから長く使えるとか
使いやすいさや音の良さをとうとうと語ってくれた。

 

その言葉が、私がニュースレターや取材の時に
語っている言葉そのものだった。

 

その時気づいた真実。

たくさんの人にブランドを知ってもらうより
理想のお客様に正しく価値を伝えることが私の役割。

 

そうすれば、お客様が「伝道師」として
喜んで伝えてくれる。

お客様にとっては
誰も知らない「本物」を
自分は知っていることが嬉しいこと。

だから私は本物の価値を伝えて続ければいい。

 

知名度をあげるよりだいじなこと

知名度が低いか高いかより
理想のお客様の中で
どのくらい正しく認知されているのかが重要。

 

特にWebマーケティングでは
ターゲットを絞って
理想のお客様に価値を届けることが必須。

 

中小企業か有名メーカーかは
全く関係ない

 

多様化の時代
大手メーカーの汎用品より
私のための逸品の方が価値がある



その時に大事なことがコンセプトは

Why  なぜするのか/思い
How  どんな商品・サービスをどのように?/差別化
What 商品・サービスの価値/ベネフィット

最近よく相談を受ける『採用できない』
『すぐやめる』も基本は同じ。

理想のお客様は一緒に働いて欲しい人


その人たちにWhyを伝えて
それに共感する人が集まれば
今度はスタッフが伝道者となって
価値を伝えてくれる


クリニックや中小企業で働くみなさんの
時間やお金を無駄にせず
伝えたい人に価値を伝えて
幸せの輪が広がる
そんな社会に貢献します。

 

ニュース・お知らせ

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株式会社TKC 出版がクリニックをクライアントに持つ税理士・開業医むけの専門誌「Medical Practice News」で新連載が始まりました。採用や集患もすべて、ブランディングが大事ということをお伝えしていきます。

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