マーケティングの力で夢を叶える、魅力発信・ブランディングコーチの奥野美代子です。今回は、飲食店の接客指導を通じて、スタッフが自社の魅力に気づき、接客に笑顔が広がった事例をご紹介します。
🔸スタッフの笑顔がない
ご相談いただいたのは、首都圏からバスで1時間ほどの山間部にある食品加工メーカー。自然豊かな環境で大豆などを育て、昔ながらの醸造法で醤油や味噌、豆腐類を製造・販売しています。スタッフは近隣に住む主婦や学生が中心です。
課題は2つ。
- パートスタッフの接客スキル向上
- 工場見学の案内効率の改善
今回は、接客指導についての取り組みをご紹介します。
首都圏でも最寄駅からバスで1時間ほどの山あいの食品加工メーカーです。
良質な水と肥沃な畑で作る大豆などを原料に昔ながらの醸造法で作る醤油、味噌と豆腐類を製造販売しています。
パートさんは近隣に住む主婦や学生さんばかり。
笑顔がない、試食を勧めてレジ打ちするだけ、もう少し感じのいい接客はできないかというご相談です。
「笑顔がない」
この原因は、ほぼほぼ上司がパートさんに笑顔で接していないからです。
上司の営業部長は、しかめっ面でできていないことばかり気になるようです。提案したのはお客様の声を聞いてもらいましょうということ。
営業部長は、 お客様アンケートの紙とペンをレストランに置いているけど全然クレームもないから必要ないのではという反応でした。では、「お客様の来店理由は?」と聞いてもはっきりしません。
🔸お客様の声を引き出す「魔法の3つの質問」
改めてお客様の声を聞いてもらいましょうとパートさんに土日を挟む2週間、お客様の声を集めてもらいました。
質問はシンプルな3つだけ。話すことが苦手なパートさんなので、一日一人当たり5客限定で質問。
- 当店を知ったきっかけは?
- なぜ、来店しようと思われましたか?
- 来店されてどうでしたか?
パートスタッフには会話を終えたらバックヤードで付箋に記録し、壁に貼るようお願いしました。2週間後 ほとんど集まっていません。さらに、2週間、再チャレンジを提案したところ、4名のスタッフで100枚以上の生の声が集まりました。
🔸驚きの結果と接客の変化
集まったお客様の声には、驚くべき内容がたくさん含まれていました。
「毎年、愛知県から訪れています。」
「ママ友に紹介されて大阪から来ました。」
「工場見学が感動的で、友人の分も購入しています。」
「子どもがここの甘酒しか飲まないんです。」
3つの質問の答えだけでなく、本当に嬉しい声がびっしり書かれていました。
これは、営業部長もびっくり。
予約で団体の工場見学を受け付けているけど、どんな人がなぜ来てくれるのかも把握していませんでした。直接、パートさんが聞くから生の声が返ってきます。お客様アンケートからは得られないお宝情報です。
パートさんに質問されて、お客様は心からの笑顔で答えてくれました。
聞かれていないことまでどんどん話してくれます。
お客様は本当は質問されるのを待っていました。
はるばる遠くから来たから、どんなに好きか話したくて仕方がない
お客様の嬉しい声を聞いて、パートスタッフ自身が「自社の魅力」に気づきました。
「こんなにお客様に喜んでもらえている商品を販売しているんだ!」という実感が、自然と笑顔を生み、接客に反映されたのです。
🔸SNS活用の前に大切なこと
当時はまだSNSを使っていませんでしたが、今ならこれらの声を基にお客様の笑顔を発信する投稿がインスタグラムにあふれることでしょう。しかし、自社の魅力や商品の価値を理解していなければ、SNSでの発信もうまくいきません。
実際、採用や集客に悩む多くのクリニックや企業では、自社の魅力に気づいていないために、スタッフも何を発信して良いか分からないという状況が見られます。これでは、いくらSNSのスキルがあっても効果は出ません。
🔸自社の魅力に気づくことが成功の鍵
魅力がないわけではありません。ただ、それに気づいていないだけです。院長や社長自身が気づいていない場合、スタッフも魅力を発信できません。
私が提案するオンライン講座では、経営者と一緒に自社の魅力を見つけ、それを発信する方法を学んでいただけます。自分たちの魅力に気づき、それを正しく伝えることで、採用や集客が劇的に改善されます。
🔸次回予告
次回は、今回の事例に続き、パートスタッフの魅力を引き出して工場見学を劇的に改善した成功事例をご紹介します。お楽しみに!